2009年10月12日月曜日

サウダージ


サウダージ、ブラジル音楽を嗜んでいる人には身近な語彙になっているように思われるポルトガル語の単語。特にボサノバを聴いている人たちにだろうか。この言葉の定義を良く知らずにいたのでメモしておこう。

この単語はポルトガル語、そしてスペインガリシア語に特有のものらしい。郷愁、憧憬、思慕、切なさ、などの意味合いを持ち、その言葉が用いられる地域の人、情景、環境などと密接なので翻訳の難しい言葉だ。ポルトガルのファド、ブラジルのボサノバ、アンゴラ音楽の歌詞に頻出の言葉で、どのような曲調で歌われるかにより充てる意味が変わりますね。ノスタルジーの一言でも表せず、過去への郷愁、願っても叶わぬ思い、憧れなど様々な人の思いを含む複雑な言葉。

注意深く意味を汲み取りたい言葉の1つですね。

ちなみにスペインガリシア語では「サゥダーデ」、ポルトガル語では「サゥダーデゥ」、ブラジルポルトガル語では「サゥダーディ」と地域により発音が異なる。やっぱり一番身近なのは「サゥダーディ」⇒「サウダージ」のブラジルのものだろうか。






2009年8月29日土曜日

ポルトガル語の発音の気になる点②


続きです・・・

・gにuを伴う場合、その後にa、oが続く時は「グア」「グオ」となるけれど、e、iと続く時は「ゲ」「ギ」となる。「グエ」「グイ」と読ませたい場合はアクセント記号「¨」(トマーレ)を伴ったgüe、güiと表記する。qの時と同様のパターンですね。
・gの次がaouの時「が」「ゴ」「グ」、e、iの時は「ジェ」「ジ」となる
・je「ジェ」、ji「ジ」と、ge、giは同様。
・音節末のlは「ウ」の音になる。
・rは語頭、rr、n、s、lの音に現れるとハ行の発音に。
・母音に挟まれたs、有声子音の前のsは「ズ」の音。
・ssは「ス」の音。
・語末のzは「ス」の音。
・xは「シャ」「シェ」「シ」「ショ」「シュ」の音のほかに例外もあるのでその都度覚える。
・語頭のhは発音しない。
・ch、lh、nhはシャ行、リャ行、ニャ行で発音

う~ん、なるほど。こんな感じでポルトガル的音が作られていたんですね。あとは自分でそう発声できるかですね♪頑張ります♪ファドでも歌いながら情感アル音を出してみたい。


2009年8月28日金曜日

ポルトガル語の発音の気になる点①


スペイン語でローマ字そのまま発音する習慣がついてしまっている上、ポルトガル語の記述がそれと似通っているものも多いので、しっかりポルトガル語としての発音規則を覚えなければならない。

基本的にスペイン語同様そのままローマ字を読めばいいけれど、不規則な場合をノートしておきます。

・t、dは、語末のte、deはアクセントがあれば「テ」「デ」、なければ「チ」「ヂ」。ti、diは、アクセントがあってもなくても「チ」「ヂ」。
・qは必ずuを伴う。que、quiはそれぞれ「ケ」「キ」と発音するが、もしqua、quo「クア」「クオ」と同様「クエ」「クイ」と読ませたい場合はアクセント記号「¨」(トマーレと言うらしい)を伴ったqüeqüiと表記する。
・cの次がaouの時「カ」「コ」「ク」、e、iの時は「セ」「スィ」となる
・çはaouを伴って現れ「サ」「ソ」「ス」

続きはまた・・・






2009年8月23日日曜日

ポルトガル語発音練習


前回のアップからしばらく時間が経ってしまいました。

その間に趣味であるアルゼンチンタンゴの合宿やら、ダンスパーティーでの仲間たちとの演奏練習やらで時間が過ぎていました。

今日は久しぶりにポルトガル語の勉強を朝から。スペイン語は一通り勉強してきたので、文章の構造などに関しては類似点が多いため、まずは一番ひっかかりそうな発音の練習から始めてます。まずはテキストに付属しているCDに合わせてとにかく読む読む。それが一番言葉のリズムが体に入りそう。「シュ」とか、「シャ」とかいう音や、子音が重なっている語順のものや、記号のついたアルファベットの発音が慣れない感じです。しばらくは聴いて、音を出してという訓練に励みたいと思います。


2009年8月11日火曜日

Marionette


昨日実家に行って何だか懐かしいジャケットのCDを親たちのコレクションに発見。

アマチュアの楽団でバイオリンを弾いている私ですが、以前所属してたとこのレパートリーに入っていた『南蛮渡来』という曲があったけれど、モノ本としてそのCDを聞いていた。演奏は「Marionette」という日本人デュオによるもの。

今さら気づいたのですが1人がマンドリンを弾いているのは知っていたけれど、何ともう1人はポルトガルギターを担当していました。ポルトガルギター奏者は湯淺隆、マンドリン奏者は吉田剛士。マンドリン2台にしては何だかノスタルジーを感じる音色だなぁとは思っていましたが。こんな映像を見つけました。とても美しい音色ですね。


Marionetteのホームページはここ。



2009年8月9日日曜日

Fadoって?②


前記の通りFadoはリスボアで生まれたが、その他にもポルトガル中北部の都市:コインブラでファドのもう1つの独特のスタイルが発展した。そこでは学生たちのセレナーデとして存在している。コインブラのファドは男子学生によってのみ歌ったりするそうで、中世の吟遊詩人のごとく、黒いマントを身にまとって歌い、演奏するそう。何だか想像しただけで素敵ですね・・・。いつか聞いてみたい。ちなみにこちらでは男性の声に合わせ、リスボアのギターと異なり調律が1音低くされている「コインブラギター」なるものを使用するそうです。


Fadoって?①


ファドについて知ったことをメモメモ。

「Fado」は運命、宿命の意味。

ポルトガルの首都リスボアの下町に生まれ、歌い継がれてきた庶民の心の歌。物悲しい雰囲気のものに、自分たちの町を賛美したり、町に溢れる噂話などを題材とした陽気なものもある。ファドの歌い手を「Fadista(ファディスタ)」と言うが、元々最下層の人々のジャンルであったため、その言葉は「ならず者、娼婦、やくざ」の意味を持っていたそう。しかし時代が進むにつれ

「Casa de Fado(カーザ・ド・ファド)」と呼ばれるレストラン、ライブハウスで歌われる酒場の音楽。

歌は必ずしも女性だけでなく、男性も歌う。楽器の編成としては、「ポルトガルギター」(Guitarraギターラ)に「クラシックギター(鉄弦)」(viola Classicaヴィオラ・クラシカ)で、これに低音部を担当する「低音ギター」(Baixa Violaバイシャ・ヴィオラ)が加わることもある。「ポルトガルギター」は可憐な音の響き、「クラシックギター」は音の柔らかな伸びをそれぞれ担当。その2つの組み合わせが音の伸びに幅をつくり、さらにリズムや間の取り方で歌を支える。

ファドに関して、歌い手たちの服装、「Casa de Fado(カーザ・ド・ファド)」の種類などについての記述も見つけたけれど、それはまた他の機会にまとめます。

あ、日本にあるポルトガル料理屋さんで時々ファドのライブをしているところをみつけました。


ファドの歴史をたどってみて思ったことは、アルゼンチンタンゴの発祥と類似点があること。どこまで共通していて、どこから異なっているかはこれから少しずつ調べてみたいことの1つです☆


2009年8月8日土曜日

Amália Rodrigues


親が持っていたコレクションのより以前拝借してきたレコードの中にAmália Rodriguesのものがありました。その中のBarcoNegroという曲にポルトガルらしさを感じます。

Amaliaは"Rainha do Fado" ("Queen of Fado")として人々の間で賞賛を受けていたファドの女性歌手で、全世界にそのジャンルを広めた人物。ファドというジャンルについてや、ファドの女性歌手はどうあるべきかなどを綴ったfadistaについての著書も残しているそう。その内容についても調べてみたいです。




2009年8月7日金曜日

バルセロスのガロちゃん


ポルトガルの土産品に「鶏」・・・。なぜ「鶏」か分かりました。それをメモしておきます。

ポルトガルの雄鶏「gallo=ガロ」は「真実の証、バルセロスの雄鶏」として知られている。バルセロスは地理上ではポルトの上部、ミーニュ地方にある。

バルセロスという町はその昔からポルトガルからサンチアゴ巡礼をする時の中継地となっていて、「ガロ」がそのような意味で認識されるようになったのもその巡礼と関連しているそうで、その話は16世紀に遡る。

ある日バルセロスに一人のガリシア人が通りかかり宿をとるが、その当時町で横行していた盗みの犯人として逮捕される。男は無実を訴えがとうとう絞首刑を言い渡されます。

男は最後の願いとして自分にその判決を言い渡した裁判官を訪ねたいと言います。宴を開いていて町の名士たちと集っていた裁判官に男は再度自分の無実を訴えますが誰も信じる者はいなかった。

テーブルの上に載せられている丸焼きの雄鶏のご馳走を目にした男は「明日の朝、刑に処せられる時、わたしの無実の証として、この丸焼きの雄鶏が鳴きだすだろう」と言った。これを聞いて人々は大笑いしていたが、そのご馳走に手をつけないで明朝まで置いておくことにします。

翌朝の処刑時間、テーブルに載っていた雄鶏が起き上がって「コケコッコー!」と鳴いた。裁判官は男の潔白を悟り、改めて無実の判決を下した。

そんな話が伝わっているそうで、それで幸福のお守りとして今でも愛されるものとしてあるのですね~♪


イベリア半島の言葉の歴史

Ç

イベリア半島の言葉の歴史について簡単にまとめてみます。

その昔イベリア文字にイベリア語
         ↓
紀元前3世紀後半ローマがイベリア半島に進出
ラテン文字にラテン語を伝える
         ↓
その後イベリア半島内でいくつかの言語に分かれる
<10世紀頃の言葉の分布>
中部:カスティーリャ語
西側:ガリシア・ポルトガル語、アストゥリアス・レオン語
東側:ナバラ・アラゴン語、カタルーニャ語
         ↓
*ここからはポルトガル語について*
イベリア半島北西部ガリシア地方、ポルトガル北部ミーニョ地方で話されていたガリシア・ポルトガル語
12世紀ポルトガルが政治的に独立を果たすと、ガリシア語とポルトガル語に2分。でもこの時点ではポルトガル語ではなく、あくまでもそれに発展する変種の言語で、それは地域を南下してモサラベ語と接触することでガリシア語とは異なる特徴を持つようになる。1255年にポルトガル王国の首都がリスボンへ。ディニス王(1279-1325)の時代には公用語として使用されるように。そして1288年にはリスボンに大学が創設、1297年にはスペインとの国境も画定されるなどして、徐々に「ポルトガル語」が国の言葉として輪郭がはっきりとしてくる。


ポルトガルのお酒①


ポルトガルワインのお店の播磨屋さん

以前ここでマデイラワインのまとめ買いをしました♪濃厚で、豊かな香りに惹かれて毎晩飲んでいました。楽しい思い出です。マデイラは濃酒精強化ワインだそうで、エストゥファという加熱処理によってその独特の風味が出るそう。そして公的管理機関であるIVM(マデイラ・ワイン・インスティトゥート)によって、ブドウの産地や品種、熟成期間なども細かく定められているそうです。産地はリスボンの南西約1,000キロメートルに位置する、1418年にポルトガル人が発見したマデイラ諸島。


ポルトガル語inブラジル


ポルトガルと新大陸との出会いは1500年のことで、スペインのそれと比べると穏やかなものだったよう。植民地化が始まりポルトガル語が新大陸に流入してくるが、一般レベルで話されるようになった言葉は先住民たちの言語:トゥピナンバ語を単純化したリングア・ジェラルだった。最盛期には人口の4分の3が話す言語になっていたそう。でも時代が進むにつれ、ブラジルは資源の豊かな国だったため、ポルトガル本国からの働きかけ、移民が増大するにつけポルトガル語の重要性が増し、1785年にポルトガル語使用の義務化「インディオ法」が本国の大臣ポンバル公爵により発令される。これによりブラジルの学校でも先住民たちにポルトガル語が教えられるようになった。

1822年ブラジルは独立を遂げることになるが、そこでは言語としての独立意識のスタート地点でもあったそうだ。1826年には医師免許状は「ブラジル語」で書かなければならないという法案の提案、翌27年には「国語文法」教育を義務付ける法律が承認されている。時代は移り20世紀前半における言語状態を見てみても相変わらずブラジルの国語の名称を「ポルトガル語」ではなく「ブラジル語」にするか否かの議論を行っている。結論としては「ポルトガル語」のままになったようだが、「ポルトガル語」と「ブラジル語」の違いを模索するところに自分たちのアイデンティティーのそれも見て取れる。

とまとめてみましたが、自分の意識だと「ブラジルのポルトガル語」でした。今までスペイン語も勉強してきましたが、そこでも「メキシコのスペイン語」、「アルゼンチンのスペイン語」という本国からの視線での認識を自分の中で持っていたけれど本当はどうなんだろう。言葉の立ち位置についてもう少し視点を変えて考えてみたいと思います。


2009年8月6日木曜日

ポルトガル料理


早速お勉強から脱線。。。

時々足を運ぶポルトガル料理屋さん「ヴィラモウラ」。
新橋、有楽町、銀座からアクセス良いです。

            http://vila-moura.com/

世界で「5番目」の国際語


ポルトガル語って、世界で話している人口ではなく、話されている国の数から考えると世界で「5番目」の国際語になるらしい。8つの国が公用語としているんですね。ポルトガル、ブラジルに加えアフリカのカボ・ベルデ共和国、ギニア・ビサウ共和国、サントメ・プリンシペ民主共和国、アンゴラ共和国、モザンビーク共和国、そしてアジアの東ティモール民主共和国がそうなんですね。今読んでいる本によると、イタリア語、ドイツ語の方が私たちにとってメジャーな言葉ではあるけれど、グローバルな視点に立ってみるとポルトガル語はより国際的ということ。なるほど!明日はそれぞれの国でのポルトガル語の変容を見てみたいと思います。

2009年8月5日水曜日

はじめに


最近ファドを聴く機会が増えて歌詞など理解してみたなと思いポルトガル語の勉強を始めました。毎日なんとなく参考書とか眺めているだけでは~頭に入らないので、ここにメモしていきます。